フィンランドの魂を描いた画家、アクセリ・ガッレン=カッレラの生涯と絵の魅力

か行

 
 
車椅子で過ごす時間が長くなってから、私が心を癒やす時間は、絵をじっくり眺めるひとときです。最近私が出会ったのが、フィンランドの画家「アクセリ・ガッレン=カッレラ(Akseli Gallen-Kallela)」の絵でした。

あまり日本では名前を聞く機会がないかもしれませんが、彼の絵は、北欧の厳しくも美しい自然、そして神話の世界を鮮やかに感じさせてくれるものばかりなんです。

SNSでも「フィンランド 画家」「北欧 絵画」「自然 絵」などで検索していると、彼の作品に心惹かれている人が世界中にいるのがわかりました。

私自身も、一枚一枚にこめられた魂のようなものを感じてしまい、記事にして残しておきたいなと思ったので、今日はアクセリ・ガッレン=カッレラの生い立ちや絵、そして作品の特徴について、私なりの言葉で語っていきます。

 

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの生い立ちとは?

 

アクセリ・ガッレン=カッレラは1865年、フィンランドのポリという町で生まれました。本名はアクセル・ガッレンでしたが、のちにフィンランドの民族意識の高まりの中で「ガッレン=カッレラ」と名乗るようになったのです。

子どもの頃から絵が得意で、森の中を歩きながらスケッチする少年だったそうです。私も車椅子で散歩するとき、道端の草花や空の雲の形を目で追っているだけで幸せを感じるのですが、彼も自然の中でインスピレーションを受けていたのかなと思うと、勝手に親近感を抱いてしまいます。

その後、ヘルシンキの美術学校で学び、さらにパリへ留学します。ここでヨーロッパの美術の最前線に触れながら、自分の中にある「フィンランドらしさ」を守り続け、独自の作風を深めていったのが彼の特徴です。

大作を描くときにも、彼はパリやベルリンにとどまらず、必ずフィンランドへ戻り、湖や森、フィンランド神話『カレワラ』の物語をテーマに絵を描きました。

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの絵とは?

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの絵は、北欧神話やフィンランドの民族叙事詩『カレワラ』に題材を取ったものが多いです。


 
 
代表作のひとつに『カレワラ』の英雄・ヴァイナモイネンを描いた作品がありますが、その絵の中では湖のほとりで老人が琴を弾く姿が描かれ、フィンランドの厳しい自然と、人間の小さな祈りが一体化しているように見えます。

また『アウノの死』という作品では、雪の中で倒れる若い女性が描かれています。この絵は痛みが伝わってくるような暗さがあるのですが、同時に雪景色の白さが静かな光を放ち、深い感情の波が押し寄せてくるようです。

彼の絵の中には、フィンランドの湖、雪の森、冷たい空気、吹き抜ける風の音がすべて溶け込んでいて、キャンバスの中で静かに息をしているような不思議な感覚があります。

私は病室で彼の絵をタブレットで拡大して見ていたのですが、そのときだけは北欧の森の中にいるような気持ちになれました。

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの絵の特徴とは?

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの絵の特徴は「象徴主義」と「写実性」が融合しているところだと思います。

遠くから見ると一枚の美しい風景画に見えるのに、近づくと登場人物の表情や衣服のひだ、雪の上の足跡などが精密に描かれているのがわかります。自然と人間が分離されず、ひとつの物語として描かれているのも魅力です。

また色づかいが深く、北欧の冷たい青、曇り空の灰色、雪の白、松の深緑などが印象的に使われています。淡く幻想的なのに、力強い生命力も感じさせてくれるのです。

そしてもうひとつの特徴は、彼自身がフィンランドの民族意識を大事にし、自国の物語や伝統衣装を大切に描き続けた点です。西洋に迎合するだけでなく、自分のルーツを見つめ、それを作品に込めているからこそ、彼の絵は今もフィンランドの人々の誇りとして愛されているのだと思います。

 

最後に

 

アクセリ・ガッレン=カッレラの絵を見ていると、北欧の自然の厳しさや静けさだけでなく、人間の小さな希望や祈りも伝わってきます。

私は普段、外出も多くはできず、絵を見る時間が多いのですが、その中で彼の作品は、自然と人間が一緒に呼吸するような静かな安心感をくれる数少ない存在です。

日本での知名度はまだ高くないかもしれませんが、フィンランドの自然、神話、そして芸術に興味がある方は、ぜひ一度彼の絵を見てほしいです。静かな湖面に自分の心が映し出されるような、深い癒やしの時間になるかもしれません。

今日も最後まで読んでくださってありがとうございます。もしこの文章を通じてアクセリ・ガッレン=カッレラという画家に興味を持っていただけたら嬉しいです。また何か心を動かす絵に出会ったときは、記事でシェアさせてくださいね。

 
 

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