美術館のベンチに座り、車椅子のブレーキをそっとかけてから、私は一枚の絵を眺め続けることがあります。派手さはないのに、なぜか目が離せない。そんな作品に出会ったとき、決まって頭に浮かぶ名前があります。
それが、画家であり批評家でもあった ロジャー・フライ です。ロジャー・フライというと、美術史では評論家として語られることが多い存在です。ただ、私自身が作品をじっくり見ていく中で感じるのは、彼は言葉だけの人ではなく、実際に描くことで美術の方向性を変えようとした、
非常に実践的な画家だったということです。今回は、そんなロジャー・フライの生い立ちと絵、そして絵の特徴について、素人ブロガーの目線で、できるだけわかりやすく書いていきたいと思います。
ロジャー・フライの生い立ちとは?

ロジャー・フライは1866年、イギリスのロンドンで生まれました。裕福な家庭に育ち、若い頃から知的な環境に囲まれていたそうです。ケンブリッジ大学で学んだ彼は、当初から絵画だけに没頭していたわけではなく、学問的な探究心が非常に強い人物でした。
その後、イタリア美術を研究するために各地を巡り、ルネサンス絵画を徹底的に観察します。この経験が、後のフライの美術観の土台になったと私は感じています。単に新しいものを持ち上げるのではなく、過去の美術を深く理解したうえで、次の時代を見据えていたからです。
やがて彼は美術史家、批評家として活動の場を広げ、1910年にはロンドンで画期的な展覧会を企画します。ここでフライは、それまでイギリスではほとんど理解されていなかった新しい絵画の潮流を世に紹介しました。この出来事は、イギリス美術の空気を一変させたと言われています。
ロジャー・フライの絵とは?
ロジャー・フライ自身の絵は、決して大衆的な人気を集めるタイプではありません。けれど、近くでじっくり見ると、非常に誠実で、考え抜かれた絵だということが伝わってきます。
彼は静物画や風景画、人物画を多く描きましたが、どれも写実に寄りかかりすぎず、かといって極端に抽象へ振り切ることもありません。私が車椅子に座ったまま長時間眺めていても疲れないのは、形と色のバランスがとても落ち着いているからだと思います。
また、フライの絵には、見る人に解釈を委ねる余白があります。これは、彼が批評家として培ってきた視点が、制作にも生きている証拠でしょう。絵が一方的に主張してこない分、こちらの気持ちや体調によって見え方が変わる。そんな懐の深さを感じます。
ロジャー・フライの絵の特徴とは?
ロジャー・フライの絵の最大の特徴は、形と構成を重視する姿勢です。彼は色彩の美しさだけでなく、画面全体の構造がどう成り立っているかを非常に大切にしました。これは、彼が提唱した形式主義的な美術観とも深く関わっています。
簡単に言えば、絵の内容や物語よりも、線や色、配置そのものが生み出す美を重視する考え方です。私自身、体が思うように動かない日でも、フライの絵を見ていると、余計な情報に振り回されず、純粋に視覚のリズムを味わうことができます。
そこには、見る人の立場を選ばない普遍性があるように思います。また、ポスト印象派の影響を受けながらも、誰かの模倣に終わらないのがフライのすごさです。彼は新しい潮流を紹介する役割を担いながら、自分自身の絵では一歩引いた冷静さを保ち続けました。
その距離感こそが、彼の絵を独特なものにしています。
最後に
ロジャー・フライは、派手な天才画家というよりも、美術の流れを静かに、しかし確実に変えていった人物だと私は感じています。批評家としての功績ばかりが注目されがちですが、実際に絵を描き続けたからこそ、彼の言葉には説得力がありました。
車椅子に座りながら絵を見つめる私にとって、フライの作品は、無理に感動しなくていい絵です。ただ、そこに在る形や色と向き合うだけで、心が少し整っていく。そんな静かな力を持っています。
もし美術史の中で名前だけ知っているという方がいれば、ぜひ一度、ロジャー・フライの絵そのものをゆっくり眺めてみてください。言葉よりも先に、画面の構成や色の関係が、きっと何かを語りかけてくれるはずです。
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