静寂の中に宿る光 画家ヨハネス・フェルメールの生い立ちと絵の魅力を語る

ふ行

 
 
美術館で一枚の絵の前に立ち、なぜかその場を動けなくなった経験はありませんか。私にとって、ヨハネス・フェルメールの絵はまさにそんな存在です。大きな歴史画でも、派手な色彩でもないのに、気づけば呼吸まで静かになっている。

車椅子で展示室を回る私にとって、混雑や動線は正直しんどい場面もありますが、フェルメールの前では不思議と心が落ち着きます。

今回は、そんなフェルメールという画家について、生い立ちや絵の魅力を、専門家ではない一人の素人ブロガーとして、私なりの言葉で綴っていきたいと思います。

 

 

ヨハネス・フェルメールの生い立ちとは?

 

ヨハネス・フェルメールは、十七世紀のオランダ、デルフトという町で生まれました。オランダ黄金時代と呼ばれるこの時代は、貿易や科学、芸術が大きく発展した時期です。ただ、フェルメール自身の人生は、決して華やかなものではありませんでした。

父は宿屋を営みながら絵画商としても活動しており、フェルメールは幼い頃から絵や画家に囲まれた環境で育ったと考えられています。しかし、当時の記録は多く残っておらず、彼の若い頃の詳細は今も謎に包まれています。

二十代で画家組合に加入し、正式な画家として認められたものの、制作点数は非常に少なく、生涯で描いた作品は三十数点ほどと言われています。また、フェルメールは大家族を養う父親でもありました。

経済的には常に余裕がなく、晩年は戦争や不況の影響も重なり、生活はかなり苦しかったようです。名声を得ることなく亡くなった彼が、後の時代になってこれほど評価されるようになるとは、当時の誰も想像していなかったのではないでしょうか。

 

ヨハネス・フェルメールの絵とは?

 

フェルメールの絵を一言で表すなら、日常の一瞬を切り取った静かな世界です。台所で牛乳を注ぐ女性、窓辺で手紙を読む人物、楽器を手にした若者。どれも特別な出来事ではありません。しかし、その何気ない場面が、驚くほど丁寧に、そして誠実に描かれています。

私が初めてフェルメールの作品を画集で見たとき、背景の壁の質感や、床に差し込む光の柔らかさに目を奪われました。主役は人物のようでいて、実は光そのものなのではないか、そんな感覚を覚えたのです。彼の絵には、時間がゆっくり流れているような不思議な感覚があります。

派手な物語や象徴を前面に出すのではなく、静かにそこに存在するものを見つめる姿勢。それは、日々の生活で見落としがちな美しさを、そっと教えてくれているように感じます。

 

ヨハネス・フェルメールの絵の特徴とは?

 

フェルメールの最大の特徴は、光の扱い方にあります。窓から差し込む自然光が、人物や物に当たり、空気ごと描き出しているような表現は、他の画家にはなかなか見られません。影は決して暗すぎず、全体が穏やかな調和に包まれています。

また、色彩の使い方も非常に印象的です。特に青や黄色は、深みがありながらも澄んでいて、画面に静かな緊張感を与えています。限られた色数で、これほど豊かな表現ができるのかと、素人ながら驚かされます。

構図も計算され尽くしており、人物の視線や配置が、見る人の目を自然と画面の奥へ導きます。派手な動きがない分、少しの傾きや仕草が、強い印象として心に残ります。静けさの中に、確かな存在感がある。それがフェルメールの絵の大きな魅力だと、私は感じています。

 

最後に

 

ヨハネス・フェルメールは、生前に大きな評価を受けた画家ではありませんでした。それでも、静かに描き続けた日常の光景は、何百年もの時を超えて、今を生きる私たちの心に語りかけてきます。

車椅子で生活していると、できないことや制限を意識してしまう瞬間があります。そんなとき、フェルメールの絵を見ると、特別なことができなくても、今ここにある時間や光には価値があるのだと、そっと背中を押される気がします。

派手さはなくても、確かに美しいものがある。フェルメールの絵は、そのことを静かに、しかし力強く伝えてくれる存在です。もし疲れたときや、立ち止まりたくなったときがあれば、ぜひフェルメールの世界をのぞいてみてください。

きっと、あなた自身の日常にも、新しい光が差し込むはずです。
 
 
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