画家ジョルジュ・ビゴーの生い立ちと絵に迫る、明治日本を描いた異邦人のまなざし

ひ行

 
 
私がジョルジュ・ビゴーという画家の名前を意識するようになったのは、日本の近代史を扱った本を読んだときでした。そこに掲載されていた一枚の風刺画が、あまりにも率直で、あまりにも遠慮がなくて、思わずページをめくる手が止まったのを覚えています。

外国人でありながら、当時の日本社会をここまで鋭く、しかもユーモラスに描いた人物がいたのかと驚かされました。私は車椅子ユーザーの素人ブロガーとして、歴史や絵画を専門的に学んできたわけではありません。

それでも、ビゴーの絵から伝わってくる生々しさや人間味には、理屈抜きで引き込まれるものがあります。今回は、そんなジョルジュ・ビゴーの生い立ちと絵、そしてその特徴について、私なりの視点でじっくり書いてみたいと思います。

 

 

ジョルジュ・ビゴーの生い立ちとは?

 

ジョルジュ・ビゴーは、1860年にフランスで生まれました。若い頃からデッサンや風刺画に才能を示し、当時のヨーロッパで盛んだった政治風刺や社会批評の流れの中で腕を磨いていきます。

19世紀後半のフランスは、政治的にも社会的にも変化の激しい時代で、新聞や雑誌に掲載される風刺画は、世相を映す重要なメディアでした。ビゴーはそうした空気の中で、絵を通じて社会を見る目を養っていったのだと思います。

1880年代、ビゴーは日本へ渡ります。明治維新からそれほど時間が経っていない日本は、西洋化の波に揺れ動いていました。外国人教師として来日したビゴーは、日本語や日本文化を学びながら、日本社会の内側に深く入り込んでいきます。

ここで重要なのは、彼が単なる異国趣味の観察者ではなく、日本人と同じ目線で日常を見ようとした点です。役所の制度、軍事、政治、庶民の暮らしまで、彼の関心は非常に幅広く、その観察眼が後の作品に大きく影響していきました。

 

ジョルジュ・ビゴーの絵とは?

 

ビゴーの絵の中心にあるのは、風刺です。といっても、ただ相手を笑いものにする軽いものではありません。彼の作品には、鋭い批評精神と同時に、どこか人間への愛情のようなものが感じられます。

明治日本の政治家や軍人、西洋かぶれの知識人たちを描いた作品では、権威や虚勢が誇張され、思わず苦笑してしまうような構図が多く見られます。一方で、庶民を描いた絵には、温かさが残っています。

市場の様子や街角の風景、日常のちょっとした出来事など、当時の日本人の生活が生き生きと伝わってきます。私が特に惹かれるのは、そこに描かれた人々が決して理想化されていない点です。

完璧でもなく、どこか間の抜けた表情や動きをしている人物たちが、とても人間らしく感じられます。

 

ジョルジュ・ビゴーの絵の特徴とは?

 

ジョルジュ・ビゴーの絵の特徴を一言で言うなら、観察力と誇張のバランスだと思います。彼は対象をよく観察し、その本質をつかんだうえで、あえて誇張します。その誇張が過剰になりすぎないため、見る側は笑いながらも、どこか図星を突かれたような気持ちになります。

また、日本の伝統的な鳥羽絵や戯画の影響も感じられます。線はシンプルでありながら、動きがあり、一目で状況が理解できる構成になっています。これは、言葉の壁を越えて伝えるための工夫だったのかもしれません。

外国人である彼が、日本社会を描くうえで、視覚的に伝わる表現を徹底的に追求した結果だと私は感じています。さらに、ビゴーの作品には時代の空気が濃縮されています。

近代化に浮かれる日本、列強に追いつこうと必死になる姿、そしてその裏にある不安や矛盾。そうしたものが、一枚の絵の中に巧みに盛り込まれています。歴史の教科書では数行で済まされてしまうような時代の雰囲気を、彼の絵は雄弁に語ってくれます。

 

最後に

 

私がジョルジュ・ビゴーの絵に惹かれる理由は、彼が外から来た人間でありながら、決して上から目線にならなかったところにあります。日本を理想化することも、逆に見下すこともなく、ただありのままを描こうとした。その姿勢が、今の時代に見ても新鮮に感じられるのだと思います。

車椅子ユーザーとして生活している私自身、社会を少し距離のある場所から眺めることがあります。そのとき、外側にいるからこそ見えるものがあると感じる瞬間があります。

ビゴーの絵を見ていると、立場の違いはあっても、その感覚がどこか重なる気がします。だからこそ、彼の作品は単なる歴史資料ではなく、今を生きる私たちにも語りかけてくるのではないでしょうか。

ジョルジュ・ビゴーの生い立ちと絵を通して、明治日本の姿を見つめ直すことは、同時に私たち自身の社会の姿を考えるきっかけにもなります。そんなふうに感じながら、私はこれからも彼の絵を眺め続けていきたいと思っています。
 
 
まっつんの絵購入はコチラ ⇒ https://nihonbashiart.jp/artist/matsuihideichi/

コメント

error: Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました